消費税率が変わりましたが

消費税率が変わりましたが

複数税率が始まりましたね

消費税が10%になり軽減税率の8%と混在する複数税率が始まって1か月が過ぎようとしています。9月30日~10月1日では税率切替の現場中継や、店内食と持ち帰りへの対応・キャッシュレス決済の対応遅れなどの話題が多かったのですが、4年後に控えている適格請求書(インボイス)に関するニュースはまったく見聞きしませんでした。
消費税は消費者が負担する税金なので、税負担者に直接影響するニュースが多いのは当然です。でも、実際に納税しているのは消費者から直接税金を預かる小売店の他、生産・流通で関係する全ての事業者です。今回の税率変更と同時に起こるわけではありませんが、納税に関わる重大変更なので何らかの報道があって欲しかったと思います。

消費税の納税とは

私たちは税抜本体価格が1000円の商品を買う時、日用品であれば1100円食品であれば1080円を小売店に支払いますよね。では、小売店が100円または80円を消費税として納税するのでしょうか?小売店が消費者から預かった消費税全額を税務署に納税する事はありません。何故なら小売店は販売する商品を問屋などから仕入れており、仕入れ先に消費税を支払っているのです。先に例として紹介した1000円の商品を700円で仕入していた場合、日用品であれば770円食品であれば756円を仕入先に支払いします。つまり70円または56円は税務署ではなく、仕入先に消費税として支払っているのです。税務署に納税するのは、100円-70円=30円 または 80円-56円=24円となります。このように消費者から預かった消費税額から仕入先に支払った消費税額を差引する事を「仕入税額控除」といいます。消費税も税金なので、納税額を求めるには根拠となる書類が必要です。新税率となった10月以降に「仕入税額控除」するには、仕入先が発行する請求書が「区分記載請求書」と呼ばれる書式に対応していなければなりません。「区分記載請求書」は税率別にわかるように記載事項が決められているのですが、これは従来の請求書を税率別に取引額がわかるように合計するだけです。また必要事項が記載されていない時は勝手に追記しても構いません。もちろん改竄は許されませんが、先ずは複数税率を安定して定着させようとする姿勢なのでしょう。私たちが小売店で受け取るレシートも「区分記載請求書」の書式になっているのですが、これは消費者が納税額をわかるため以外にも、事業者が行う「仕入税額控除」の必要書類にも対応しているのです。

令和5年にはインボイス開始です

始まったばかりの消費税複数税率ですが、今は 慣らし期間 のようなものです。完成形は適格請求書(インボイス)の実施でしょう。区分記載請求書は従来の仕組みとは大差なく「仕入税額控除」をする事業者が必要書類として保管する義務がありますが、請求者に発行義務はありません。通常の取引なら請求書を発行するのが当然なので敢えて法律で決めなくて良いとの考えなのでしょう。しかしインボイスは請求者に発行義務を負わせます。その理由は事業者登録番号の記載義務にあります。事業者登録番号は消費税を納税する事業者に割り当てられる番号で、この番号を持つ事業者はインボイスを発行する義務があり、番号を持たない事業者はインボイスを発行できないルールになります。つまり消費税を納税しない免税事業者はインボイスを発行できません。そしてインボイスがなければ「仕入税額控除」はできないのです。同じ取引であれば免税事業者は、課税事業者の消費税抜き本体価格と同額以下でなければ取引先から割高と見なされることになります。しかも、課税事業者は仕入で負担する消費税を「仕入税額控除」できるのに対し免税事業者は仕入消費税は控除できずに原価に含むので実はコスト高になるのです。このような仕組みは免税事業者の淘汰圧になるだろうし、場合によっては経済への影響もあるかもしれません。まだ4年先の事なので修正があるかもしれませんが、報道されなければ知らないままの人も多いと思います。イートインや持ち帰り対応より重要と思いますよ。

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