健康保険料の盲点に気をつけよう

健康保険料の盲点に気をつけよう

健康保険料の盲点を知っておこう

健康保険料は、会社務めの人も自営業の人も年金生活の人も毎年見直しがなされ、多くの場合保険料は上がっていきます。消費税が上がるときには日本中が大騒ぎになりますが、社会保険料の値上がりは静かに粛々と進んで行きます。

なぜかなと考えると、社会保険料には多くの方があまり関心を示していないことが原因なのかなと思います。ということはその1つである健康保険料の仕組みについてもあまり関心をお持ちでないといえるかもしれません。

そこで今回は、すこしマイナーなしかもお金の話になり恐縮ですが、筆者がしばしば経験した健康保険料の盲点についてお話します。

退職すると健康保険料が上がってしまった

会社を退職した後、嘱託やアルバイトとしてさらに働き、その職場の健康保険に加入される方は多いと思います。その場合、仮に月10万円の給料をもらっていると、健康保険料は会社が半分負担することもあって私たちの負担は年間6万円ほどで済みます。

ところが、いよいよそこも退職して年金だけの生活になったとき、年金額が仮に250万円とすると、国民健康保険料は地域によりますが約14万円にはねあがります。「年金だけの生活になって、なぜ保険料が上がるのか」と納得できない方が多いのです。保険料計算の仕組みが理解できても、そのような仕組みは間違っているだろうと、感情的に納得できないというわけです。分かりますね。

保険料が決まる仕組み

保険料計算の仕組みは簡単に書くと次のようなっています。
会社の健康保険料=給料(標準報酬月額)x保険料率
国民健康保険料 =総所得x保険料率+定額の金額

会社の健康保険料は給料だけにかかりますが、国民健康保険料はすべての所得にかかります。年金ももちろん所得です。したがって退職前の給料が安く、年金が多い人ほど保険料が大きく変わることになるのです。

実は、国民健康保険料は前年の総所得で計算しますから、退職した年やその翌年は、給料と年金の両方に保険料がかかるケースが生じます。しかし、少しややこしくなりますのでここでは割愛します。

仕組みが時代遅れになっている

税金がそうであるように、会社の健康保険料も本来はすべての所得、つまり総所得にかけるべきものです。昔は給与所得者は給与がすべての所得であったわけだし、年金所得者は年金がすべての所得であった人がほとんどでした。ところが時代が変わって、給与をもらいながら年金ももらっている人が増えてきました。税務署は給与も年金も把握しますから双方に税金をかけます。しかし、健康保険組合は、あなたの給料しか分かりません。あなたがいくらの年金をもらっているのかはしりません。したがって、健康保険料は給与だけにかける仕組みになっているのです。

年金生活になって急に保険料が上がってしまう不条理を嘆くより、逆に言えば、働きながら年金をもらっていたときは、年金に健康保険料がかかっていない分、得をしていたと考えましょう。制度が時代に追いついていない恩恵です。

国民健康保険に変わると保険料が上がってしまう人は、少しでも長く会社の保険に入ることしか方法がありません。その方が健康にも良いし、経済的にも助かりますよね。

高額な臨時所得があった場合

ここでもう1つ言えることがあります。

私たちの世代になると親の不動産を整理しなければならないことがあります。不動産を売れば、譲渡所得が生じ、それに譲渡所得税が当然かかってきます。しかし、譲渡所得に健康保険料がかかる場合とかからない場合があります。もうお分かりですね。

筆者が住んでいる地域では年金額が250万円の場合、国民健康保険料は年間約14万円ですが、臨時の譲渡所得が1,000万円あると年間上限の80万円に跳ね上がります。

1,000万円のうちの80万円くらいどうということはないと思える方は良いのですが、多くの方は国民健康保険料がここまで上がるとは予想していなかったと、その落胆ぶりに大きいものがあります。

ところが会社の健康保険に加入している場合は、譲渡所得に健康保険料はかかりません。会社の健康保険料は給料のみで決まる仕組みでしたからね。

これから言えることは不動産譲渡などの臨時所得が生じそうなときは、会社務めをしている間にその整理をした方がよいということです。でも退職して時間の余裕ができないと、大きな整理をしようという気持ちの余裕も生まれてこないのが本音だと思います。ですから、このような問題があることを気に留めておいていただければ、後で落胆しなくて済むでしょう。

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