終活について想うこと

終活について想うこと

用語としてはすっかり定着した感のある「終活」ですが、実際に終活を行っている人はというと、終活をしたいという意思を持つ人の数%に過ぎないと聞きます。つまり、大半の人にとって終活は、その必要性は認めつつも、つい先送りしてしまっているのが実情なのでしょう。私自身、既に義父、実父と二人のかけがえのない身内を亡くしており、その時の体験に基づき、終活について想うことを記してみたいと思います。

終活をしようと考える理由

楽天インサイトが実施した調査によると、終活をする意思があると回答した人は実に40.3%にも及んだ一方、何から手を付けたら良いかわからないと不安に思う方も、36%にわたったそうです。また、終活をしようと考える理由については、「家族に迷惑をかけたくない」という回答が最も多く、82%台に達したとのことです。この「家族に迷惑をかけたくない」という考えについては、私も全く同感です。

終活を先延ばしにしてしまう一つの理由

終活でやるべきことは多々ありますが、大まかには「エンディングノートを書く」「葬儀の生前準備をする」「荷物を生前に整理する」と云ったところが一般的かと思います。また、その第一歩ともいうべきエンディングノートですが、「自分に関する事」「伝えたいメッセージ」「相続に関する事」の3部構成になっており、最後に家族や友人、知人についての想いを残す構成のものが多い様です。実は、こうしたエンディングノートの形式にまず戸惑うことが、終活を先延ばしにしてしまう理由の一つでもありそうです。しかし、何もエンディングノートの形式にこだわる必用はありません。
重要なことは、自分に万一のことが生じた場合、どうしたら少しでも家族の心痛や労苦を和らげられるかということだと思います。形式に捕らわれることなく、そうした項目についてのみ、例え大学ノートに徒然にでも、あるいはパソコンを用いて、生前に自らの意思をはっきりと残して置くことこそが大切なのだと思います。

その1…延命治療に対する意思を残して置こう

それでは、最低限残して置くべき自らの意思とはどういうものでしょう。私の経験からは、その第一は延命治療に対する意思を残して置くことだと思います。
もし、大切な家族が重い病で入院し、医師からこれ以上は延命治療を付すしかないと宣告され、その判断を求められたらどういう思いにとらわれるでしょう。大切な家族が、例え1日でも長く生きられることを願わない者は一人もいないでしょう。しかし、その治療がただ本人を長く苦しませるだけの場合も無いとは言えないのです。治療機器の物々しさや、治療に伴う本人の苦痛そうな表情をみると、中々複雑なものがあります。
そんな折に、もし本人の意思が明確に示されていたとしたら、家族の心の負担はずいぶん緩和されるに違いありません。

その2…生前に葬儀社を決めておこう

次は葬儀社についてです。もし不幸にも病院で最後を迎えると、一定時間内に遺体の移動を求められます。何の用意も無い場合は、病院で提携している葬儀業者を斡旋してくれますが、葬儀業者の施設の所在地などによっては、葬儀において様々な問題が生じることになりかねません。
葬儀に支障を来さないよう、葬儀社は自身で生前に選択し、しっかり取り決めをしておくべきでしょう。

その3…財産一覧を作っておこう

最後は財産一覧の作成です。相続が発生し、ご遺族が最も苦労することは、故人の財産を把握することです。財産の把握ができなければ、遺産分割協議を進めることもできません。特に近年はネット銀行やネット証券など、通帳が発行されない金融取引も少なくなく、見落とされてしまう可能性も否定できません。金融取引だけではなく、デジタル遺品にも留意する必要があります。SNSのアカウントを含め、パソコンやスマホなどのID、パスワードなども、財産の一覧と同様にリスト化しておくと良いでしょう。

まとめ

以上の3項目につき意思を明確に残しておけば、万一の際のご遺族の心痛や労苦は大分緩和されることでしょう。既に記載したように、形式にこだわる必用は全くありませんが、実はほとんどのエンディングノートに、これらを書き込むページがあります。
万一の事はいつ発生するか予測することができません。エンディングノートを利用し、全項目について記載する必要はありませんので、まずはこれらの項目だけでも記載し、その後、自身の生涯を振り返る意味でも、徐々に書き足してゆくことも一つの方法かも知れません。

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