心配な相続

心配な相続

「再婚の人」と「子供がいない人」は要注意

毎日、平和で健康な生活を送っていると、自分の死後のことなどあまり考えたくないものです。しかし、どんな人にも必ず最期の日はやってきます。その時になって、こうしておけばよかった、と思っても取り返しがつかないことがあります。その一つとなりかねないのが、相続の問題です。

友人のSさんの話です。彼女の夫は、以前結婚していて、前妻との間に子供が一人いました。Sさんとの間にも一人のお子さんがいます。夫は前妻とは連絡を取らないまま、数十年が経っています。Sさんとご主人は二人で小さい会社で商売を営み、二人で家を建てました。お金持ちではないけれど、それなりに満足できる生活です。しかし、彼女のご主人が病気になり、手術の際ふと「夫がもし死んだら、相続はどうなるのだろう」と気になって調べてみたのだそうです。すると、ご主人の遺産は、彼女と、彼女の子供、前妻の子供の三人に相続の権利があることがわかったそうです。

このような場合、家と預金などの財産は、妻が半分、子供たちがそれぞれ四分の一ずつ権利を持つそうです。Sさんは、前妻の子供に財産を分けてあげることは仕方がないかとも思いました。でも、二人で築いた財産なのに、という気持ちもあるし、今住んでいる家がどうなるのかも心配です。何より、見ず知らずの人に連絡を取って、手続きをするのが億劫でした。また、Sさん自身も亡くなってしまったらこのような面倒な手続きを子供に残すことになります。早めに、ということで、Sさんは今弁護士に相談中です。

また、別の友達Wさんの話です。彼女には子供がおらず、ご主人は亡くなっています。やはり自分が亡くなったあと、持ち家や預金などの財産がをどうなるのか気になって調べてみたそうです。すると、Wさんのきょうだいやその子供に相続権が生じるとのことでした。Wさんは3人きょうだいで、弟と妹がいます。先に亡くなった妹とは家族ぐるみで仲良くしていましたが、弟とは仲が悪く、会うこともめったにありません。あの弟と、妹の子供が遺産を巡ってやり取りをするのか、と考えると、心配でなりませんでした。ほんの少しの財産なので、分けてもたいしたことはないのですが、交渉の場で険悪なやりとりがあるのでは、と心配だったのです。

Wさんも、司法書士の方に相談してみました。色々な方法を提示されたなかで、Wさんが選んだのは妹の子供とWさんが養子縁組をする、という方法でした。妹の娘はWさんを慕っていて、嫁いだ後も時々顔を見せてくれます。亡くなった後の手続きなども、結局は彼女を頼るのだから、それが一番いいと考えたのでした。

これまで述べた例は、詳しい家族関係を省いてあるので、似たようなケースでも別の人に相続権が生じることもあります。夫が先に亡くなるか、妻が先に亡くなるか、で状況が変わってくる場合もあります。ただ、一つ言えるのは、「再婚した」「子供がいない」というケースの場合、相続権が複雑になりやすい、ということです。このようなことが自分に当てはまるなら、一度きちんと調べてみることが大切と思います。それを怠ってしまうと、残された遺族が辛い思いや面倒な思いをすることになりかねません。ウチの遺産なんて、ほんのちょっぴりだから、という人も多いのですが、その「ほんのちょっぴり」をめぐってこんなに苦労するなんて!と悩むのも可哀そうだと思うのです。

でも、司法書士や弁護士のところにわざわざ出かけて相談するのは、お金がかかりそうでハードルが高い、という人もいるかもしれません。そのような人は、お住まいの自治体で法律相談をしていることもあるので、一度出かけてみるといいかもしれませんね。そこで対処が必要、といわれたら、初めて弁護士などと契約すればよいのではないでしょうか。

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