断捨離とガーデニング

断捨離とガーデニング

庭のリフォームをしたけれど

Dさんは、足の悪いご主人と2人暮らしの60代のご婦人です。長年暮らした戸建ての自宅では、2人の趣味で色々な植物を植え、梅やくちなしなど季節の花を楽しんだり、花壇にチューリップの球根を植えたり、ちょっとした野菜を育てたりしてきました。

しかし、Dさん自身も膝が悪くなってきて、草取りが辛くなってきたこと、剪定に意外とお金がかかることから、思い切って庭をリフォームすることにしたのです。

業者さんと話をして、生垣のつげの木とくちなし、それから梅などの大きな木は思い切って処分。シンボルツリーとしてギボウシだけは残して、他はコンクリートと芝生で地面をカバーすることにしました。

その結果、全体に庭が明るくモダンな感じになり、リビングへの日当たりも良くなりました。しかも、見通しが良くなって防犯の為にも効果的。落ち葉の掃除も、草取りもいらなくなったDさんは大満足だったのですが、ご主人は物足りない感じ。「なんか寂しいなあ」というのです。

確かに、Dさんの庭はこれまで四季折々の花が咲き乱れ、賑やかで楽しみの尽きない所でした。ご近所としても、いつも楽しませてもらっていたし、外出が少なくなったご主人にとっては、リビングから見える景色は心の癒しになっていたはずです。

家を断捨離したけれど

Nさんはしっかり者の70代。ご主人を50代で亡くし、1人息子は独立しました。実家の片付けが大変だったことから、息子にはそんな迷惑をかけたくない、と断捨離を敢行。なんと、一軒家を全て片付け、荷物を大幅に減らして、車も売却。必要なものだけを持ってマンションに引っ越ししたのです。

庭の世話ももう自分ではできないし、台風でテレビのアンテナが飛んだとか、近所に空き巣が入ったとか、そういう話を聞くと一軒家は面倒になったのだとか。すっきり片付けた彼女は、本当に明るい顔です。マンションのベランダからは、街路樹のイチョウ並木が美しく、Nさんは「借景よ」というのでした。

ただ、「庭の世話に追われていた時は大変と思ったけれど、なんか寂しいのよね。愛情を注ぐものが欲しい気がする」ともいいます。

生きがいとしてのガーデニング

戸建てに住んでいる人にとっては、庭というのは家の顔であり、きちんと整えておかなければいけない場所です。そこをすっきり美しく保っておくのは楽しいことばかりではありません。歳をとるにつれて、作業や金銭的な負担を感じる人も多く、DさんNさんのように断捨離するほうが合理的な場合も出てきます。

しかし、ガーデニングの目的は、見栄えを良くするというだけではありません。植物に触れて世話をすることで気持ちが安らいだり、美しい花が咲いたり実がなる、という達成感や、「季節感」が心を充実させる効果もあります。また、朝決まった時間に外に出る、という習慣が健康のために良いことはいうまでもありません。

ミニガーデンのすすめ

庭がコンクリートで覆われていたり、マンションのベランダでも、小さなガーデニングを楽しむことは可能です。腰や膝が悪くなって、という人も、台の上で作業すれば負担が少なくなります。プラスチック製の軽めのプランターや植木鉢を使いましょう。

ミニガーデンのコツは、1.全体の色合いをデザインすること。2.高さに変化をつけることです。

一度に全て植えようとせず、少しずつ増やしていくのがオススメなのですが、その時追加するものの色合いがマッチするか、確認するといいでしょう。同系色でまとめるか、色とりどりにするかは好みの問題ですが、ミニガーデンの場合、あまりまとまりすぎると寂しくなるので要注意です。

春から始めるならオキザリスやジュリアン、ペチュニアなど、秋ならガーデンシクラメンやビオラなどが育てやすく、色どりも合わせやすいかと思います。

それに加えて、寒さに強い観葉植物をいくつか加えておくと、緑が増えて「ガーデン」らしくなります。アイビーやワイヤープランツなど、つる性のものを吊り下げたり、台の上におくと動きが出るし、ゴールドクレストなど高さのあるものを置くと目線が広がってボリュームを感じさせます。

プランターで野菜を育てると、地植えの場合より小ぶりになりがちですが、大人1~2人分なら十分と心得ましょう。夏にはゴーヤや大葉・ハーブ類、冬には水菜などの葉物がおすすめです。できるだけ良い土を使うのがコツです。

なお、マンションの場合は、ベランダが避難経路にもなるので、隣との境目にはモノを置かないこと。避難はしごがある場合は、はしごが上階から降りてきても邪魔にならないようにすることが必要です。台風や地震などで植木鉢が落下したりしないよう、置き場所には十分注意しましょう。

まとめ

合理的なシニアライフのためには、断捨離も必要ですが、何もかも捨ててしまって寂しくなってしまっては本末転倒です。潤いを大切にするために、ミニガーデニングは一つの手段となるでしょう。

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