おくさまありがとうシリーズ(その1)ギターを買おう編

おくさまありがとうシリーズ(その1)ギターを買おう編

おくさまの趣味はギターを弾くこと

40年間勤めた会社を定年退職しました。夫婦になってから30年もの長い間、朝早く起きて弁当を作り続けてくれて、会社から帰れば吐き出すつまらない愚痴を、がまんして聞いてくれた奥様には感謝しかありません。

そこで、定年を機に、感謝の気持ちを形に変えようと思い立ち、退職金を利用して「おくさまありがとう作戦」を展開することにしました。奥様の欲しいものを買ってプレゼントする計画です。それもサプライズで。

奥様は、以前から宝石や装飾品にはほとんど興味を示しません。飾りより実益型です。実は夫婦には共通の趣味があります。それはバンドで音楽を演奏すること。夫婦になってから約30年、同じバンドで活動してきたのです。奥様はギター弾きで、現在はギターの講師を引き受けています。ギターを弾き始めると時間を忘れて没頭するほどです。

今から10年くらい前でしょうか、有名なメーカーのギターフェアがあり夫婦で出かけました。そこで彼女の目を引いたのがオレンジ色のカッコイイやつ。
すかさず試奏。よほど気に入ったのかそのギターを離しません。
しばらくするとため息をついて弾くのをやめました。お値段は68万円なり。

さすがに当時の収入と貯金では手も足も出ない金額です。その時はさっさと諦めて帰りました。なるべくギターの話題には触れずに。でも、欲しいんだろうなあ。

じゃあ、一生もんのすごいの買おう!

あの時は値段に驚いたけど、今は、退職金があるぞ!という訳で一念発起。
「おくさまありがとう作戦」第一弾はギターをプレゼントすることに決めました。それも中途半端なやつじゃなくて、一生もんのすごいの買おう。

数日して、なじみのギターショップへふたりで行きました。ギターを買うなんて奥様には一言も言わずに。
店に入ると、いつもの店長がニコニコしてやって来たので、ギターの良いやつが欲しいんだけど。と一言。

何も聞かされていない奥様はびっくり!

ご予算は?と聞かれ、100万円くらいのやつ!

奥様またまたびっくり。じっとこっちを見ている気配がします。

さすがに100万はサプライズにはでかすぎたか。でもここはひとつ奮発して即決。店長はますますニコニコして奥の打ち合わせスペースに案内してくれました。奥様はびっくりした顔のままついてきます。

ギターの仕様について打ち合わせが始まりました。話を始めると奥様もだんだん乗ってきて、色や形、サイズなどいろいろリクエスト。持ちやすさや重さなどは本人じゃないとわからないのです。最終的には、ほぼフルオーダーのギターになっていました。完成にはしばらく時間がかかるらしいので、ひとまず引き上げることに。

すると、帰りまぎわに奥様がぽつり。
「私クラシックギターもほしいんだよね」
そぉだったのかあ。

店内を見渡すとクラシックギターの品もぞろえ豊富です。店長がやってきて、おすすめの一本を出してくれました。
スペイン製でつや消しボディの渋いやつ、お値段10万円。迷わず即決!今しかできない大盤振る舞いです。

おくさまありがとう作戦第一弾完了

3ケ月後、ついに念願のほぼオリジナルギターが完成しました。色はオレンジじゃなくて鮮やかな白です。本当は白いギターが好きだったらしい。ネックと頭の部分に貝殻でつくったオリジナルの絵柄を埋め込んで完成しました。他にもいろいろチューニングしてもらったけど詳しいことはわからない。絵柄のデザインはオジロワシです。これも奥様のリクエストでなかなかカッコいい。

できあがったギターを手にして奥様はご満悦。うれしそうな顔を見てなぜかこっちもご満悦。

次の日、ギターに名前がついてました。我が家ではお気に入りの楽器には親しみやすい愛称を付けるのが通例です。ギターの名前はグル伯爵。なぜ?と聞くと、シェルの絵柄がオジロワシをモチーフにしているからだそうです。
グルはイーグルのグル。ステージでお披露目するのはいつになるかな?

こうして『おくさまありがとう作戦』第一弾は無事に完了。

あとは、こっちが「ぬれ落ち葉」にならないように気をつけないと。定年後も迷惑をかけてるようじゃだめですからね。何か夢中になるものを見つけて、楽しい定年後の生活を送ることにします。時間はたっぷりありますから。

さらに奥様を喜ばせようと、第二弾も画策しました。それについては近日公開ということで。

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コメント

  1. 朝から読んでいてお二人の愛に心が洗われる思いがいたしました。

    奥様は私と同世代、ちょうどバンドブームの「先駆け」ですものね。

    かつての私もボードを弾いて…ボーカルに転向して。

    昔のことを思い出して…自分自身のこれまでと重ね合わせて、
    とても懐かしい想いです。

    併せて、ギタリストの奥様とドラマーの旦那さん。
    お二人の想いが共鳴し合って、素晴らしいセッションがなされますように。

    お二人にしかつくれない、極めつけのハーモニーが醸し出されますように。

    前田穂花

  2. こんばんは。コメントをいただきありがとうございました。そうですか、鍵盤やっておられたんですね。これからもよろしくお願いします。

  3. ちなみに。私はもともと関東の人間ですが…
    永く福岡のお隣の熊本に住んでいまして、仕事の取材などでよく博多に出てきていました。
    懐かしいです。

    そのままキャナルシティのそばに転居する予定で物件も押さえていたんですが…
    中止して千葉に舞い戻り、現在は東京都下でぼんやりしています。

    今日もギタリストの知人とご一緒にお仕事をさせて戴くことになっています。
    セッションじゃないんですけどね。

    ゴルビーさんの文章を拝読して、九州を懐かしく思うとともに。
    なぜか尾崎の「自由への扉」が脳内エンドレス再生しちゃっています。

    最愛の奥様とどうかどうか…
    全てが奏でるハーモニーに心を許しあっちゃってください。

    穂花

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