物を持たない生活について考える

物を持たない生活について考える

身の回りの持ち物を最小限に抑える、「物を持たない生活」が注目されています。これは、余分な物を持たず、本当に必要な物だけを持つことで、むしろ本当の豊さを手に入れることができるという考え方だと思います。類似した概念として、ミニマリスト、生前整理、断捨離などがありますが、これらは同じ意味なのでしょうか? これら物を持たない生活について考察してみます。

ミニマリスト

ミニマリストは、minimalから派生した造語で、日常生活を最小限の必要品だけで生活しようとする人たちを意味し、最小限主義者とも言います。必要品の定義は人それぞれで、外食すれば食器や調理器具すら不用と考える人もあれば、例え実生活には不要でも、子どもが描いた絵など、自分にとって愛着のある品々は手元に置いて置くという人もいます。いずれにしろその目的は、自分にとって無駄な物を省くことで、自分自身が快適に暮らすことにあるといえるでしょう。

生前整理

生前整理は、生きているうちに死後のことを考えて、身辺や財産の整理をすることです。生前に不要な物を処分することで、結果として、残された自分の人生を快適に過ごすことができるようになるという意味では、ミニマリストと共通しますが、その目的は、自分の死後の家族の負担を減らすことにあり、誰のためにという点では、ミニマリストと異なるように思えます。

断捨離

断捨離は、不要な物を捨てることで、物への執着から離れ、身軽で快適な生活を手に入れることとされています。生前整理の手段の一つのように捉えられがちなのですが、本来はヨーガの行法である断行(だんぎょう)、捨行(しゃぎょう)、離行(りぎょう)を応用した概念何だそうです。身軽で快適な生活を手に入れるという意味では、生前整理と同様、ミニマリストと共通し、既に所有している余分なものを捨てるという手法は、生前整理と共通しますが、ヨーガの行法が元になっている点で、思想の背景が根源的にミニマリストや生前整理とは異なるように思えます。

ミニマリスト、生前整理、断捨離の整理

それぞれ本来の目的は異なりますが、不要な物を処分し、新たに必要のない物を所有しないという共通の手法で、快適な暮らしが得られるという結果が同じである以上、三者を区別する実質的な意味はないのかも知れません。事実、生前整理を実行することが断捨離であると信じ、それをきっかけにミニマリスト、または、ミニマリストに近い生活を送るようになる人が少なくないと聞きます。せっかく身の回りを整理したのに、また必ずしも必要ではない物が溢れてしまうようでは、敢えて生前整理をした意味が無くなってしまいますから、当然といえば当然のようにも思えます。

まとめ

不要な物を処分しようと思っても、いざ実践しようとなると、なかなか捨てられないという方も多いと思います。殊に、戦中や戦後の物不足の時代を知っておられる方は、いつか使うかもとつい躊躇してしまう方も多いのではないでしょうか?
一方で、高度経済成長時代の大量生産、大量消費を経た社会の歪みから、多くの物を所有しても満たされなかったり、たくさんの物に埋もれて、逆に必要な物が見えなくなったりと、むしろ生きづらさを感じる人も増えたようです。
いずれにしろ、不要、必要、多い、少ないという基準は、人によってまちまちであり、統一された概念はありません。それでも、それぞれの価値観で不用品を処分し、きちんと整理された空間で暮らすことが、快適であることは間違いないでしょう。
何もミニマリストの概念に固執する必要も、ましてや空っぽの部屋で、味気ない生活をする必要もありません。心機一転、しばらく使用していない物は処分し、自分にとって心地よい空間を維持しながら、それ以上物を増やさない暮らしを心掛けてはいかがでしょうか? それがそのまま、断捨離でもあり、生前整理へもつながるのだと思います。

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