大学の通信教育課程に学んで得られたこと

大学の通信教育課程に学んで得られたこと

思い出がいっぱいです

 私は、この3月に慶應義塾大学法学部甲類(法律学科)を卒業しました。
 64歳にしての快挙だと、自分の心の中でひっそりと自慢しています。50代で早期退職し、第2の人生へのチャレンジとして選んだのが、大学入学でした。それまで自分のテリトリーに入っていなかった知見を深めたいという目的を掲げての、決断でした。
 しかし、卒業に至るハードルは決して低くなく、幾つもの山や谷を乗り越えての念願の卒業です。やり切った感は半端ないです。困難はあれども、普通のシニア生活を送っていたのでは考えられない貴重な体験を積み重ねることができたことは、何よりの宝です。多くの大学の通信教育課程が存在する中、やるなら難易度トップの慶應だと高い目標値を掲げたことは、大正解でした。慶應義塾の理念は、「独立自尊」「実学」「気品の泉源」「半学半教」「自我作古」「社中協力」です。卒業生となった今、三田会という同窓会組織の多くの仲間たちと、この理念を共有できていることに感謝しています。
 在学中の思い出はたくさんありすぎてここで全部は語れませんが、一部を紹介したいと思います。

1.教授がやっぱりすごい!

何といっても、スクーリングや卒論指導で通学生と同じ教授陣から指導を受け、高いレベルの知見を獲得することができたことに大満足です。これはすごいことだと思います。私は、学生団体である慶友会の会長をしていた時、多くの教授と交流させていただく機会がありましたが、すべての教授が大学の理念を共有し、学生と同じ目線で学問の楽しさを伝えてくださることに、大きな驚きがありました。大学の先生は偉そうにいつも威張っているのではと、勝手に想像していたものだから…。「えぇー、こんなに自由に議論できるんだぁ。全然権威的じゃない。」先生方の印象は、まさに目からうろこでした。

2.日吉や三田でのスクーリングが楽しい!

8月には、夏期スクーリングがあり、日吉や三田の校舎で授業を受けました。私のような学士入学は、最低15単位(124単位中)はスクーリングで単位を取らなくてはいけません。日々自分で文献を読みレポートを作成していく勉強と異なり、教室で先生方の講義が生で聴けること・本だけでは理解しづらい内容も理解できること・他の学生と交流できることなど、大感激の連続です。学食での仲間との語らいの時間は、若き日の学生気分そのものです。20代の仲間と議論していると、いつのまにか自分の年齢を忘れていました。

3.レポートに汗だくだく!

文献は読みまくらなければ、レポートは書けません。行ける範囲の図書館は全部利用して、借りては返す、借りては返す…の繰り返しです。やっと書き上げたレポートを提出しても、返ってくるのは不合格ばかり。でも、そこでくじけてはだめです。意地になって何度も何度も出すのです。そのうち、知識が自然と深まり合格へとつながっていくのです。レポートを出せば試験を受ける権利が得られます。レポートと試験の両方が合格して、初めてその科目の単位が取得できることになるのです。こうして、こつこつ進めていくしか方法はありません。辛抱強さとの勝負です。

4.卒業論文で学問の神髄に迫る!

慶應義塾大学通信育課程の最後の高いハードルは、卒業論文です。レポートの4000字に比べ、こちらは何万字の世界となります。文献は少なくとも50冊程度は読まなくてはなりません。ちなみに、私は約50000字で書き上げました。指導では必ず大学の教授のところへ出向き、専門的なアドバイスや批評を受けなくてはなりません。思考・吟味を何十回、何百回と繰り返して、やっと完成するのです。この作業を通して、とてつもなく大きな自信がつきました。このような経験は60云年生きてきて初めてのことです。学問の神髄に迫れたことは何にも勝る貴重な経験であり、私に非日常的生活の醍醐味を味わわせてくれました。

なんだか回想記のようになってしまいました。最後に、皆さんにぜひ伝えたいことは、慶應義塾大学通信教育課程は実に素晴らしい感動を私に与えてくれたということです。興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、うれしい限りです。
三田会のOBの方がおっしゃいました。「慶應は卒業してからが実におもしろい。」この真意を、これから確かめていきたいと思っているこの頃なのです。

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コメント

  1. slow&happyで掲載しています。「forest」です。

    この度はおめでとうございます。
    画像を見まして思わず アレッ⁈ です。息子が長々お世話になりこのカラー学位記が三冊あります。
    一冊は私にプレゼントしてくれました毎日眺めて無事を祈っております。

    当時、清家篤先生のお話を日吉でお聞きして、こちらの大学を息子が卒業出来ることを家族ともに喜びました。なんと申しますか・・・月並みですが良い大学ですね。
    この時代に9年もお世話になって、彼は不愉快な思いをしたことが一度も無かったといいます。

    一般世間で言われる○○boyには程遠く、遊ぶに来る友人も良く育った方々で何よりまじめです。
    よろしかったですね。

    「slow&happy」このスペースが皆さまのフォーラム・ディスカッションになれば良いかと思っています。
    お節介メールです。よろしくお願いします。

  2. はじめまして。前田です。
    最初に…大学ご卒業おめでとうございます。
    本当にほんとうに…リスペクトです!

    私は五十代です。
    家庭の事情で高校卒業時は(合格している大学がありながら)
    クラスで唯一就職の途を選ばざるを得ませんでした。

    その後(勝気な私は)一念発起!
    三十三歳である大学の社会人選抜に合格、
    遅咲きの女子大生となりました。
    車椅子で講義に出席しているので学内でもちょっと有名人でした。

    昨年も…別のことを学びたくて新たに違う大学を受験、
    合格はできましたが…学費が賄えず辞退。

    だけど。「お金がないから諦めなくちゃ」なんて夢は、
    そのじつ本当は夢でも目標でも何でもないのかも知れないな。

    「ゆっこちゃん」様の投稿を拝読して反省しました。
    私にとっての人生の先輩がこんなに努力していらっしゃる姿に、
    まずは強く学ばされた想いです。

    日常生活を維持しつつ、夢を叶えることはとても厳しい人生の課題に感じます。
    しかしながら、トピックを拝読して…ただ一つ、
    私自身の人生の在り方について、言い訳だけはもうやめよう。
    そう自分に言い聞かせています。

    貴重なお話、本当にありがとうございました。

    前田穂花

  3. おめでとうございます。私も今年早稲田のオープンキャンパスに申し込みました。卒業はないですが、修了単位はあるので、4年間がんばるつもりです。ただコロナの影響で開講がいつになるか未定になってしまいました。

  4. forest 様
     コメントをいただき、ありがとうございます。
    何せ、自分の文章や写真をweb上にアップして皆様に読んでいただくなんて、生まれて初めてのことなので、一つ一つの操作や作業に慣れず、お返事が今日になってしまいました。ごめんなさい。
    ご子息は9年間も慶應に在籍されていたとは、慶應ボーイ以外の何者でもありませんね。うちの息子も4年間ですがお世話になったんですよ。こちらは慶應ボーイとはとても言えません。慶應つながりができて、とってもうれしいです。
    また、forest様の記事をゆっくり読ませていただきます。本当にありがとうございました。
       

  5. 前田穂花 様

     この度は、コメントをありがとうございます。
    「slow&happy」への投稿はまだ始めたばかりで、コメントバックの仕方も分からず、お返事遅くなってしまいました。ごめんなさい。

    前田様も、いろいろとチャレンジされていると知り、応援したい気持ちになりました。
    私が、偉そうなことは言えないのですが、モットーとしたのは、「あせらず・くじけず・あきらめず」です。当たり前のことですが、「努力は裏切らない」です。
    まずは、夢や目標が持てることが素晴らしい!ことです。自分の納得のいく努力でいいと思いますから、前を向いて、上を向いて歩まれてください。応援しています!!

  6. TAKASHI 様

    コメントをありがとうございます。
    早稲田に進まれるんですね。4年間頑張ってください。きっと楽しいキャンパスライフが待っていますよ。
    私の場合も、卒業式(学位記授与式)は、コロナの影響で中止となりました。コロナの影響がいろんなところに及んでいますね。開講がじらされる分だけ、始まったら楽しさも倍増となりますよ、きっと…!
    頑張ってくださいね。

  7. 前田です。
    >「あせらず・くじけず・あきらめず」
    素敵な言葉をありがとうございます。

    ずっと眺めていたかったので、早速Wordで大きく打ち出して、
    仕事机の前に貼りました。

    私にはいろんな障害があり、且つ様々な病気と闘っている最中です。

    障害や病気をすぐ(うまくいかない人生の)言い訳にしたくなる私にとって、
    本当に闘うべき敵は障害や病気ではなく、言い訳したくなる自分の心。

    そう自戒の念を込めつつ貼りました。

    人生ハードモードですが…
    まずは今の私に出来ることを一生懸命にがんばります。
    考え直すきっかけを戴きましたこと、心から深謝いたします。

    前田穂花

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