母がミステリーのヒロインに⁉ 認知症がやってきた~(前編)

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母がミステリーのヒロインに⁉ 認知症がやってきた~(前編)

「○○警察の、生活安全課の△△ですが」
と電話があったのは、数カ月前のこと。

○○は、母が独りで住んでいる実家の住所です。 

けっ…警察って…? 

何? 何があった? 母が事故にでも遭った?

一瞬パニックになりましたが、△△さんの口調に緊迫感は感じられません。

次の瞬間、頭に浮かんだのは…

『あ~ ついに母がやっちゃったか…』

異変を感じたのは、さらに遡ること数ヵ月前。

「最近、よくヘンなことが起こるの」

思い詰めたように語りだした母を、私は笑い飛ばしました。

「モノ」がなくなるって言うんですけど、その「モノ」っていうのが…

「メガネ」「セロテープ」「文庫本」などなど、“シニア世代なくなるモノの定番品”なんです。

「そんなことは私でも日常茶飯事だって。置いた場所を忘れただけでしょ。お母さんの年齢だったらフツーのことだから~」

私がそう話しても、母は納得していない様子。

いつもなら、「年は取りたくないね~」と笑うはずなのに、強張った表情を崩さない母に、胸がザワついたのでした。

実家は車で二時間弱の距離にあり、父が他界してから母が独りで暮らしています。健康で気丈な母でしたが、月に1、2回は帰るようにしていました。

80歳の母は、大人しく控えめな女性だと思われているようですが、プライドが高く頑固で、柔軟性に欠けるところがあります。
「思い込みの激しい」タイプです。

そして、そんな母の一番の趣味は、「ミステリードラマ鑑賞」でした…
それが、こんな「事件」を引き起こすとは…

最初の異変後、実家に帰るたびに、どんどん「なくなるモノ」が増えていきました。

でも、「フキン」「電卓」「スーパーのチラシ」など、変わらず取るに足らないモノばかり…。

もう笑うしかないのですが、母は真剣なのです。

そしてついに、母の口から出たセリフは、
「絶対、失くしたんじゃない! 盗られたんだ!」

「チラシを?」「誰が?」「何のために~?」
と私は笑いつつ、
『ちょっとこれはマズいことになってきた』、と感じたのでした。

そして、次に会った時の母は、もう私の知っている母ではありませんでした。

「ミステリーのヒロイン」

まず、玄関の内側が異様な雰囲気に!

ドアスコープに、ガムテープがべったり貼られています!

背の高い折り畳み式衝立がドア前に立ちはだかり、

さらに、巨大な植木鉢が足元に!

「お、おかあさん… コ、コレ…なに?!」

聞くのも恐怖です。

「…ああ、コレ? 留守中に誰かが侵入してるみたいだから」

誰かが侵入! って怖いこと、さらっと、言う!

「バリケード代わりにね、よいしょっ」と、母は衝立を動かします。

「こうやって、出掛ける時はドアの前に立て掛けておくと、ドアを開けた侵入者に倒れ掛かる仕組みで、念のために植木鉢もこうやって…」
と、硬い表情ながら、やや得意気な母。

ドアスコープのテープは、「外から覗かれてるから」だそうで…

さらに、「あんたコレ、設置してくれる?」と渡されたのは「監視カメラ」!

この時点で、私の頭に渦巻くのは
『マズイ… これはマズイ…』

同時に、通販広告を見て買ったと知って、電話をかけて注文する能力は保っているらしい、と頭の片隅で考えます。

ですが、機械音痴の母に「カメラのSDカードの録画内容をPCで見る」
なんてことはできるはずもなく、私は「侵入事件の捜査」に加担するつもりもないので「カメラの設置」は却下。

すると、
「じゃあコレ聞いてみて」、と渡されたモノ、それは留守中にセットしていたという「ボイスレコーダー」!

『〇〇サスペンスかっ!』と、突っ込みたくなります。

母は、「ボイスレコーダーに変な声が録音されている!」と言い張るのですが、何度聞いても無音…

なので、「ほら、勘違いだって~」と笑ってみせるのですが、母はまったく聞く耳をもちません。

それどころかヒートアップして「謎の人物侵入事件」について話し続け、「証拠がある!」と、あるモノを出してきたのです!

それを見せられた私は、あまりの衝撃に言葉を失いました。

※後編に続きます。

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