(後編)母がミステリーのヒロインに⁉ 認知症がやってきた~ 

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(後編)母がミステリーのヒロインに⁉ 認知症がやってきた~ 

「鑑識かっ!」

※この記事は(後編)ですので(前編・5月20日)からお読みくださいませ。

完全に「ミステリーのヒロイン」になりきっている母が「最後の切り札!」とばかりに差し出したのは、A4サイズくらいの白い紙でした。

手渡されたソレを見た途端嫌悪が走り、私は、思わずソレを放り投げました。

あまりの衝撃で、言葉も出ません。

その紙には真ん中に線が引かれ、左と右に分けて「髪の毛」が、5、6本づつテープで留められていたのです!

「左が、私の。右が、侵入者の髪の毛」、と母は「捜査状況」を語り始めます。
侵入者が盗みを働いた時に落ちたのだ、と。

「ほら、ちゃんと見て! 右側の髪は茶色いから、私の髪の毛じゃない!」と母。

その茶色の髪は、たぶん私のものなのです…

でも、ここまでの経緯があるので、「証拠品」として提出された髪の毛は、触れたくない「気持ち悪いモノ」でしかありません。

「…それで…どうしたいわけ? …ソレ」

と聞くと、母はきっぱりと言いました。

「DNA鑑定してもらおうと思ってね!」

! ! !

『鑑識かっ!』と突っ込む余裕は、私には残っていませんでした…

「事件」も私も迷宮に…

その後、いろいろ考えました。

母に、「盗られたモノ」は貴重品じゃないから「警察」も「鑑識」も動いてくれないよ、と言うと納得してくれたようでした。

けれど、他にも「ひどい物忘れ」や「同じ会話を繰り返す」ことや、人格が変わってしまったかのような言動が、少し前から気になっていたのです。

「認知症かもしれない」とは感じていましたが、プライドの高い母は認めるはずもない…

何とか独りで社会生活を送れているのだから、としばらく様子をみるつもりでいました。

でも、今の母は、強い恐怖心にも囚われているようです。

「怖い、怖い」としきりに訴えてもいました。

早急に何とかする必要があります。

さて、どうするか?

病院が大嫌いで、健康診断もほとんど受けていない母を病院に連れていくのに、良い方法はないだろうか?

冒頭(※前編)の、警察から電話があったのは、そんな時だったのです。

〇〇警察の△△さんは、

「お母さんは、『誰かが侵入してモノを盗まれている』って言われるんですけどそういう痕跡はなくて…」
と言い淀み、
「…少し様子がおかしいんですよ」と。

やはり、母は警察の人にも「メガネ」や「フキン」を盗られた、と話したそうです。

△△さんに迷惑を掛けたことを謝罪し、「近いうちに病院で診てもらいますので」と電話を切ったものの、どうやったら母を説得できるのか? 

名案は浮かびませんでした。

認知症の診断

ところが、カンタンに事は進んだのです。

人格が変わったといっても、内向的な母が「警察に捜査を依頼」するというのは、かなり勇気のいることだったらしく。

そこまで、強い恐怖に追い詰められていたんですね…

「心療内科に行ってみる?」と言うと、即答で「連れて行って欲しい」と。

ただし、あくまでも「気分が沈んだり、不安になったりするから」で、
「認知症」の言葉は絶対に出せません。

ケアマネージャーをしている友人が教えてくれた病院には、事前に電話で事情を説明しておきました。

診察室に入った途端、母の強張った表情がほんの少しほぐれたような気がしました。

穏やかで、柔らかく包み込むような雰囲気をまとったお医者さんだったのです。

かなり長い時間、母の話を聞いてくださり、母が席を外した後、
「認知症の初期と考えられます」と告げられました。

そして、母は…

その後、今も母は通院を続けていて、
「あの先生に、こんなこと言われたよ~」と嬉しそうに話してくれます。

認知症の初期によく起こる「モノ盗られ妄想」への対処法は、「否定しないこと」や「不安を軽減させること」だそうです。

「否定しない」というのはとても難しいのですが、余程のことでない限り「また一緒に探してあげるよ~」などと言い、やんわりと他の明るい話題に変えたりしてみました。

その後「妄想」は、しばらく続いたものの、少しづつ恐怖心は薄れていって今はすっかり治まっているようです。

とはいっても、今まで出来ていたことがだんだんできなくなり、時々困ったことをしでかしたりします。

今後、母がどうなっていくのか不安はありますが、今のこの時を心穏やかに過ごせていることに感謝するのみ、です。

あれほど好きだったミステリードラマを、母はほとんど観なくなりました。

ミステリーのヒロインの座を降りた母が… 

次に狙っているのは…?

まさか…!

「ラブコメ」のヒロイン⁉

「悲劇のヒロイン」よりは、いいかもしれませんね!

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