亭主の還暦祝いに明月記へ

亭主の還暦祝いに明月記へ

祝⭐︎六十歳

結婚してから34年、出会ってから40年。ずっと連れ去ってきた夫がとうとう5月の29日に還暦を迎え、31日に還暦祝いを行いました。29日の誕生日当日は、私たち夫婦が美山に茅葺を見に行っている間に下の娘が豊中にある豊南市場へ魚を買いに行き、お造りを仕立て夕飯に出してくれました。また、31日当日は電車で向かう予定が長男が「電車で行くより車で行った方がおとんも自由に飲めるやろ。楽やし」と提案してくれて、車で行くことに。
一番ちびだと思っていた末娘ももう22歳、お腹を痛めて産んだ長男も28歳。子供だとばかり思っていてももうすっかり私たちの背丈も心の年齢も超えていて、なんだか感動をしちゃいました。

還暦祝いに行った場所は雲雀ヶ丘のずーーーっと上にある明月記。私たち夫婦にとっては思い出深い場所で、結婚の時の顔合わせや義父の米寿の祝いも行ったこのお店。今回は義母は体の調子が悪く参加できなかったため私と夫、長男、長女、次女、それから私の姉と義兄、母の8人で祝いの席を囲みました。

最初はコロナのこともあり、今年は厳しいかなと1月から予約を取ってたにもかかわらずキャンセル。でしたが、緊急事態宣言の解除もあり、万全な対応をすれば大丈夫だろうと再予約。その結果とっても眺望の良い個室に迎えられました。何十年も大事な祝いの席に使っていたお店でしたが、ここまで眺望の良い、しかも個室に迎えられたのは初めてです。

ちょうどその日は行きしなは雨でしたが、徐々に曇り空くらいにはなってくれたおかげであべのハルカスまではっきり見えており、時折飛ぶ飛行機を眺めるのもまた楽しく、夫は持参したカメラを何度も使って撮影を試みていました。逆光だったのでアップはできませんが、私も何枚か撮りました。

豪華かつ洗練された料理たち

「明月記ってのは藤原定家が書いた日記の名前なんだよ。知らない?百人一首選んだ人だよ」

今年の春に大学を卒業した娘は日本文学の中でも中世文学を専攻していたためそのあたり詳しいようでした。

しかしながら蘊蓄をあまり好きでないためか、夫は用意されていた赤いちゃんちゃんこにご執心。

予約時に還暦祝いであると言っていたとはいえ、鶴の形をした寿の書かれた箸といい、この明月記というお店の心遣いをよく感じます。

お料理はどれも見目美しく、味もやはり絶品です。また、我々はどうにも肉じゃが、や筑前煮、と言ったような料理名しか普段見ませんがこういった場所での料理名は一味違います。

一品目の膳に出てきた「蓴菜の津軽和え」は最初は郷土料理などの意味だろうかと思ったものの、一口食べて違うことに気づかされました。

「津軽」りんごを和えているために、津軽和え。爽やかで甘味があり、ツルッとした蓴菜とシャキッとした津軽リンゴの食感の違いが楽しく、とても爽やかな一品でした。

また、五月と言えば端午の節句。菖蒲の葉も真っ直ぐに飾られておりこれが本格的なお店の最高のおもてなしなのだと感じました。

また、コロナで人が少ない中での予約ということもあったからでしょうか。おしながきにはなかった天ぷらの提供がありました。

薄付きの衣はさっくりと、素材は新鮮で茄子はそのみずみずしさを一切失わないまま、からりと揚げられており満腹になった母から譲ってもらう形でもう一人前食べてしまいました…。

お値段はやはり張りますが、味・見た目・香りどれをとっても一級品の料理たち。加えて夫へプレゼントを送る際には一時的に料理の提供の手を止め、終わるまで待ってくださるなど心遣いも完璧でした。そう何度も行けるような場所ではありませんが、あと2年後。私が還暦を迎える際や、子供たちが結婚などの大きな選択をする際はぜひまた行きたい。そう思う毎日です。

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