遺言書は書いた方が良いのでしょうか?

遺言書は書いた方が良いのでしょうか?

「子供がいなくて、兄弟がいるなら、遺言書を書いておいた方が良いよ」

知り合いの弁護士に言われました。

弁護士に頼んだらどのくらいの費用か尋ねると、遺言書を作るだけなら、一般的には、10万から20万円くらいで、遺言を執行する時には財産の1%から3%という話でした。

大した財産もないのに、そんなに払えないですと言うと、民法改正が行われて、遺言書を書くのも楽になるし、法務局で預かってもらえる制度ができるから、自分で書いて預けたら良いと言われ、早速調べてみることにしました。

亡くなった人の財産の配分は、トラブルが起きないように、民法で定められています。遺言書がなければ、単純にそのように分けられます。

相続人が集まって協議し、全員の合意を得られた場合には、民法で定められた法定相続分以外の分け方にしてもいいようです。相続人の一人でも反対すれば実行できません。
遺された不動産に配偶者が住んでいる場合は、住む権利が保障される改正も行われましたので、住んでいる家を売却して他の相続人に財産を分けたりする必要はなさそうです。

子供のいない夫婦が、遺言書を書いたほうが良い第一の理由は、子供のいない夫婦の場合、法定相続人は、配偶者と兄弟になります。財産の配分は、配偶者に4分の3、残りの4分の1が兄弟で分けます。

この場合、兄弟には遺留分はありませんので、遺言書さえあれば、財産の全てを配偶者に残すことができます。

遺留分とは、亡くなった方が特定の相続人へ不利な遺言を遺したとしても、ある程度取得できる取り分のことです。一般的には、法定相続分の半額です。

もしも、遺言書を残していない場合、配偶者は、法定相続人全員の同意を得なければ、配偶者の預金を下ろすことさえできません。兄弟が相続を放棄しなければ、生計を同じにしていなかった全く関係ない兄弟へ、夫婦で築いた財産の一部を分けなければなりません。

第二に、財産がどれだけあるのか書いておけば、銀行通帳や不動産の登記簿謄本などを探すのに、家中を探す手間が省けます。これは、遺族の負担軽減になります。

他にも書いた方が良い人はいますか?

内縁の妻がいる場合、すでに死亡している子供の配偶者に世話をしてもらっている場合、相続人の資格を持っている人が行方不明な場合、隠し子がいる場合など、遺言書がないと、争いに発展しやすいケースがあり、トラブルが予想される場合には、遺言書の作成をしておいた方が良いと、多くの弁護士さんのホームページに記載されています。

しかし、そればかりではなく、財産がどれだけあるのか、預貯金はどこに預けているのか、明文化してあげていたほうが、残された遺族の負担を減らせるので、遺言書は残しておいた方が良いです。

悲しみが癒えていないうちに、お金の話をすることはストレスです。ちょっとした感情のもつれから、争いに発展しないとも限りません。自分の財産を、自分の意思で、然るべき人に渡るように、明確にしておいたほうが、トラブルを避けることができます。

遺言書があまりにも不公平なら、遺留分の権利を持っている相続人は、財産を受け取る相続人に請求する権利がありますが、黙っていては何もおこりません。

現実に多く遺産を手にした人物に遺留分を請求する意思表示が必要です。後々裁判になった時のために配達証明付きの内容証明郵便で行うことを弁護士は勧めています。

遺言書は具体的にどのように書いたら良いのですか

遺言のルールは民法に定められています。ルールから外れると無効となるケースもありますので、形式に沿った残しかたをする必要があります。

遺言の形式ごとに説明すると、主に、次の3つがあります。

1.自筆証書遺言

自分で書く遺言書のことです。遺言の内容全文、日付、氏名を自筆で書き、印鑑を押します。

自宅で保管していても構いません。見つけた人は、家庭裁判所に届けて検認手続きをしてもらう必要があります。

2019年1月から、財産目録は自筆でなくても、通帳のコピーや不動産の登記簿謄本のコピーで認められるようになりました。このとき、遺言書の中で、別紙として記載する必要があり、別紙の記載面のすべてに、自筆で氏名のサインが必要です。

また、2020年7月からは、法務局で、手数料3900円で、遺言書を預かってくれる制度ができました。自宅に保管して紛失する恐れもなくなり、家庭裁判所の検認手続きも必要がありません。

2.公正証書遺言
公証役場で、2名以上の証人が立ち会い、遺言書を作ることができます。財産が100万円程度でも手数料は16000円以上になり、財産が増えるたびに手数料は加算されます。

3.秘密証書遺言

遺言者が作成した遺言者を公証人役場に持参し、遺言者本人が認める遺言書であることを公証人に証明してもらう遺言の方法です。手数料は11000円です。

その他、特殊なケースは、遺言として認められる要件を満たしているかどうか判断するのが難しいので、弁護士などの専門家に聞いてみてください。お住まいの地域では、弁護士の無料相談もあるので、調べてみるといいでしょう。

遺言執行人(遺言執行者)も同時に指定しておいた方が良い

遺言執行人とは、遺言の内容を実行する人のことです。相続人の中からえらんでも構いませんが、争いがおこる可能性があるなら、弁護士などの第三者にお願いしておいたほうが良いようです。この時、手数料は弁護士などによって異なりますが、財産の1〜3%くらいが多いようです。財産の額や、執行する内容によっては、もっと高額になるケースもあります。

遺言執行人は、相続財産目録を作成したり、預貯金の解約手続きや、不動産の名義変更など、一切の行為をする権限を持ちます。

これが指定されていないと、家庭裁判所に、遺言執行人の選任を申し立てますが、財産の分け方に不満がある相続人が協力しないなど、トラブルのになる場合もあります。また、遺言執行人がちゃんと働かないなどと言う場合は、解任の申し出もできます。

無効になる恐れもある注意すべきこと

日付が吉日となっていたり、修正加筆の方法に不備があったり、利害関係者が書かせたと思われる内容であったり、認知機能が衰えて正常な判断能力がない状態で作成されていたり、単独ではなく、複数人が共同で遺言していたり、自筆でないなど、無効になるケースがあります。

また、譲ろうと思っていた相続人が、先に亡くなった場合、遺言自体が無効となってしまう場合がありますので、亡くなってしまった場合を考慮して、二番目に相続させたい人を決めておくと、全てが無効になることを防げます。

遺言書は書いた方が良い

遺された家族の負担を減らすためにも、財産の目録が添付されている遺言書は残しておいた方が相続の処理がスムーズに行われます。

以前は、全て手書きでなければ認められなかった自筆の遺言書も、法律の改正により、財産目録はコピーも認められるなど、遺言書も書きやすくなりました。

遺言には、どうしてその財産をその人に残すかなど感謝の気持ちを書いても良いそうです。なぜそうしたのかがわかれば、無駄な争いを避けられるのかもしれません。

財産だけではなく気持ちを残してあげるのも良いのかもしれません。

私はまず、通帳の口座番号の面のコピーからはじめます。

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