「定活」書評「終わった人」内館牧子

「定活」書評「終わった人」内館牧子

帯がおもしろい。

forestさんのBlog見て面白そうだったので、早速Amzonで購入して読んでみました。
帯の言葉が面白いです。

「定年って生前葬だな。これからどうする?」
「”あなたのこと”が書かれています」
「自分が、夫が、モデルではという反響やまず。」

なかなか興味深い帯ですよね。

終わった人

東大を卒業して大手銀行のエリートコースで周りからも役員を確実視されていた主人公「田代壮介」は、役員間際に突如として子会社に出向。そのまま転籍して、雇用延長をせず、小さな子会社の役員として定年退職を迎えるところから小説は始まります。

私も銀行の子会社で働いていたので、主人公のような人をたくさん見ています。銀行で活躍できなかったので子会社に来てうれしくてがんばる人。逆に主人公のように役員目前で子会社の役員になってふてくされている人。色々いましたね。半沢直樹でもそうですけど、銀行って本当大変なんですよね。
ある銀行からの出向者が言ってましたけど、「銀行が高給をもらうのは当たり前だ。これはがまん代なんだ!」って、ちょっと感覚ずれてますよね。
みんな外を見ないで中をみてるんですよ。出世してる人とかの経歴を覚えるのも銀行では当たり前みたいで、だれだれさんは、何年に東大を出て、なんたら支店からスタートして、本部のどこどこからほにゃらら支店の支店長になってとかこんなこと覚えて何の意味があるかわかんないですけど、そういう人は多かったですよ。

あと本当にプライドが高い人だらけなんですよ。
主人公の田代もプライドが高くて、仕事しかしてなかったから、趣味もなく、会社にいかなくなった途端にやることがなくなってしまうんですよね。
こういう人多いですよ。ひまいごシニア https://slowhappy.jp/business/teikatsu/himaigo/
になっちゃうんですよね。

奥さんを誘って旅行三昧でゆっくりしようと思っても、自分でも勤めている奥さんは乗り気ではない。
これもよくある話で、あるアンケートによると、60代の女性に誰と旅行に行きたいか尋ねたところ、1位はダントツで女友達で確か夫は10%くらいだった。逆に男性のアンケートではダントツで妻で50%超えてたと思う。こんな感じなんだよ。

自分はどうなんだろうって考えさせられる小説だよ。まさに「定活」の重要性だよね。

心に響くセリフの数々

奥さんの従妹のイラストレータートシの定年の日に主人公にいうセリフ
「これからは時間の流れ方が違ってきて、面白いよ。会社員時代とは価値観で時間を見ればいい」
そうなんですよね。主人公は結局、朝毎日同じ時間に起きて、やることがないけど、図書館は行きたくない。散歩はじじいがやることだからと結局ひまいごシニアになっちゃうんですよ。違う価値観に変われない人は厳しいですよね。特に主人公のように大企業で部長だったり、会社で役員だったりしている人はこうなっちゃう人が多いですよね。

時間が余った主人公はジムに通うことになりますが、平日昼間のジムはジジ、ババのたまり場と化しているそうです。
私は日曜と平日夜しかジム行ってないですけど、確かに平日昼間通えるということは仕事をしてない人が多いですし、今健康ブームでシニアのジムは大流行なので、平日の昼間はそうなのかも知れないですね。

もやもやする主人公は何でもいいので、仕事を探すことにします。ハローワークで見つけた仕事は小さな会社の経理の仕事。やる気を出して面接にいくものの、逆に高学歴とりっぱなキャリアがじゃましてしまいます。
このジムでの出会いが新しい運命を切り開いて、ひまいごシニアの主人公がジェットコースターのような、人生を過ごすことになるんです。「一寸先が闇とはよくいうが、一寸先が光というのもあるものなのだな」人生ほんとに何があるかわからないですよね。

私も経歴を話すと、皆さん「波乱万丈ですね。」っていわれますけど、ほんと人生何があるかわからないんですよ。順調な時ほど、急転直下で落ちますしね。急にうまくいくこともあります。最初に書いた「”あなたのことが”書かれています」じゃないけど、妙に共感するとこが多くておもしろいです。

結論

今、私は自分で起業していますが、「定活」ではスモールビジネスで起業することをお薦めします。何もやらないのは「老化」を早めることになりますよ。

この小説でも「恋をすると若返るみたいよ。」というセリフがありますが、ときめきは「老化」を遅らせます。
認知症予防に一番いいスポーツは社交ダンスだそうです。ステップを覚えるという脳の機能強化もありますが、一番効果が高いのは異性と一緒に過ごすことにより「ときめき」で脳が活性化するのだそうです。当然見られるスポーツなので、身だしなみにも気をつけるようになります。
終わった人は定活を考えている人にぜひ読んでほしい小説です。
久しぶりに小説を読んで面白かったので、内館牧子さんの最新策「すぐ死ぬんだから」も買いました。こちらは終活小説なのでまた紹介させてもらいます。

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コメント

  1. 何故か内館節にはまってしまいます。とても嬉しいです。

  2. 面白かったです。すぐ死ぬんだからも買ったのでまた書評書きます。

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