所有者不明土地、相続登記義務化へ向けて

所有者不明土地、相続登記義務化へ向けて

空き家問題が顕在化し、最悪の場合自治体による強制執行が可能となったのは記憶に新しいところです。根幹には活用されないまま放置される、限りある資源の流動性を促し、社会全体の資産として効率的に利用していこうとの思いがあるものと推察されますが、所有者不明土地の問題解決にも道筋が示されようとしています。

所有者不明土地とは?

所有者不明土地は文字通り、所有者が明確ではない土地のことです。この場合の「明確ではない」とは、「登記されていない」状態を指します。通常土地の売買に際しては決済と同時に所有権移転の登記を行いますが、売買以外の理由で土地の所有者が変わった場合、特に相続による場合の登記の有無が問題視されています。相続登記が義務付けられていないことが、所有者不明土地を生む大きな要因というわけです。

相続登記の義務化

この問題の解消に向けて法務省等の所轄官庁で検討され、2021年の国会に提案されようとしているのが相続登記の義務化です。義務化に向けた議論は数年前から成されてきましたから、ようやく大枠が固まってきたところでしょうか。いずれにしても親が住んでいた土地家屋、所有していた土地などの不動産登記を放置しておくことは難しくなりますから、注意が必要です。

相続人が複数いる場合

相続人が複数いて誰が相続するのか不明な場合、一定の期限を過ぎても決まらない時には法定相続に準じて相続がなされます。売れない、使わない土地はいらないと相続放棄をすることも可能ですが、その場合土地は国の管理となり、固定資産税よりも高額な管理費を支払うことになる模様です。この場合、遺産分割上の紛争がない等の条件が付きますから、ご注意下さい。

分割協議に期限付き

上記で「一定の期限を過ぎても」と書きましたが、現時点で3-10年程度の期限が検討されています。しかし期限の長さに右往左往するよりも、元気で動ける生前から家族や親族間で意思の疎通を図って、道筋を決めておくことの方が大切ではないでしょうか。

相続登記については登録免許税の減額などの措置が採られる可能性がありますが、義務化が覆ることはないでしょう。ここ数年国の施策として打ち出されてきたことを見れば、それは明らかです。

所有から利用へ、用途変更の垣根を低くして不動産利用の活性化を図る、眠ったまま放置される資源の有効活用を目指す、このような方向性が明確に示されてきました。この流れは今後も変わることなく続くと思われますから、今の内から怠りなく準備しておきたいものですね。

参考:親の自宅だれが継ぐ 登記早めに、法改正案で罰則も(日経webニュース)

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