その税金、払わなくていいかも

その税金、払わなくていいかも

それはある日突然やってくる

ご家族が亡くなって半年ほどたったある日、こんな封書が舞い込むことがあります。
「相続税についてのお尋ね」
税務署からです。
「おたくには相続税を納めてもらわないといけないかもしれませんよ」という通知です。

一定額以上の遺産があるために相続税の納付義務が生じた場合、相続税の申告・納付をしなければなりません。
申告・納付期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月後です。

平成25年の相続税制改正で、その翌々年の平成27年度から相続税を納めなければならない人が一気に二倍にふえました。
「基礎控除」の金額が大幅に引き下げられたからです。

特例を上手に活用する

計算の結果相続税が発生することがわかったとしても、もう一度よく調べてみるべきことがあります。

それは前述の税制改正の際に設けられた「小規模宅地等の特例」についてです。
適用されれば、相続税が大幅に減額されるか、0になる場合もあります。
これについて知らない人が意外に多いようです。
税理士さんでも内容をきちんと理解してない人がいて驚かされます。

「小規模宅地等の特例」とは?

この特例は、宅地を相続する際に、100坪(330㎡)までは土地の評価額を80%割引する制度です!
相続税を計算する際に用いられる土地の評価額は路線価をもとに算出される「相続税評価額」ですが、これが20%になるというわけです。

ただし、配偶者以外の人が相続する場合は、被相続人の生前に被相続人と同居していたことが条件です。
この条件を満たしているものとして、具体例に沿って計算してみます。

相続人が妻と同居の子供二人で、次のような遺産があるとして、税金を計算してみます。
(※ わかりやすくするために控除は基礎控除だけとします)

宅 地/面積 300㎡ 相続税評価額 4,000万円
家/固定資産税評価額 1,000万円
預貯金/1,000万円
合 計 = 6,000万円

特例適用後の宅地の評価額 = 4,000万円 × 20% = 800万円
家 = 1,000万円
預貯金 = 1,000万円
課税価格合計 = 2,800万円

基礎控除 = 3,000万円(定額控除) +{ 600万円(比例控除) × 相続人2人} = 4,200万円

課税価格 2,800万円 − 基礎控除 4,200万円 = マイナス1,400万円
 ↓ 
相続税 = 0円

ちなみにこの例で特例を適用しない場合は、二人の子供に計140万円の相続税が発生します。(計算略)

こんなにお得な特例を見逃したままで申告してしまってはたいへんです。
なお、この特例が適用されることで相続税が0になる場合でも、それを証明するために、やはり相続税の申告書を提出する必要があります。

同居ノススメ

ここで前段を振り返ってみます。

「ただし、配偶者以外の人が相続する場合は、被相続人の生前に被相続人と同居していたことが条件です。」

もし被相続人となる人と子供が同居していなければ、子供が相続する分については特例が適用されないので、税金を納めることになるかもしれません。

ですので、もしご自身が被相続人となる日が近いとお考えで、離れて暮らしているお子さんに土地を相続させるつもりでおられるのでしたら、特例が適用されればお子さんの負担が少なくなるのであれば、お子さんに同居を勧めてみられてはどうでしょう?

この特例の適用に際しては、同居の期間は定められていません。
つまり、亡くなる一週間前から同居してもいいのです。
ただし、被相続人が亡くなってから10ヶ月後まではその家に住んでいることが条件です。

相続に関連する様々な事柄は、勉強するのがたいへんです。
が、もし税理士さんなどの専門家に相談するにしても、相談内容を的確に理解し、専門家と、そして家族とスムーズにコミュニケートするためにも、ある程度の知識を身につけておくことが必要ではないかと思います。
というわたしですが、まだ遺言書を書けてません!

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