同居家族の介護ストレスを考える 前編

同居家族の介護ストレスを考える 前編

父の介護、我が家の場合

私は実家から新幹線の距離に嫁いでいます。実家は父と、私の兄夫婦とその子供の4人暮らしです。介護の仕事をしている関係で、兄や義姉から父についての相談を受けることがあります。
もちろん家族ですので娘としての視点で相談に乗りますが、離れて暮らしていると客観的に考えることもできるので、専門職としてアドバイスをすることもあります。
そんな我が家の体験談をお伝えしていきます。

長男夫婦と同居の父

父は長男夫婦と同居しています。現在要介護1で、糖尿病のインスリン管理のために訪問看護が週1回入っています。
デイサービスは2か所通っていて、週1回はリハビリ特化型でマシンを使って身体機能の維持をはかっています。運動好きの父にはとても合っているようです。
そして週2回は地域密着型の小規模デイに通っています。ここはとても家族的で、園芸などをさせてくれるので本人も気に入っているようです。
それ以前は訪問介護で入浴介助を受けていたりしましたが、連れ合いのいない父はどんどん外に出た方が良いと考え、ケアマネさんに良いところを探してもらいました。
主介護者は同居の兄、義姉と甥はそのフォローをして、時々は私もアドバイスをして、最初の頃はうまく機能していたように思います。

父の入院、そして退院

雲行きが怪しくなったのは、父が心臓を患って入院したあたりからです。高齢のため手術はしないという方針で退院をしました。
それまでは自転車で買い物に出たり、庭で盆栽の手入れをしたりしていた父ですが、心臓への負担を考えてそれらの行動を控えるように言われてしまいました。
最初の頃は内緒で出かけたりしていたようですが、兄に見つかってこっぴどく叱られました。外出は禁止、庭に出るのも禁止と言われ、徐々に父の行動はリビングと寝室の往復だけになってしまいました。
この行動の制限や叱責は、後々兄自身の首を絞める結果になります。

認知症の兆しと兄の叱責

デイに出かける以外はリビングの所定の位置からほとんど動かず、1日中時代劇チャンネルを眺めている日々が続いていました。しかしそのおかげで心臓の調子は安定し、糖尿病のコントロールもうまくいっていたのですが、今度は父の様子がおかしいことに気付いたのです。
テレビをつけたまま居眠りをしている時間が増えた、排泄の失敗が増えてトイレを汚すようになった、そして父本人から尿臭がするようになっていきました。
明らかに意欲低下、認知機能の低下が疑われる状況でしたので、私は認知症専門医の受診をすすめました。しかし心臓も糖尿病もそれなりの専門医にかかっているので、これ以上の通院は負担だったのかもしれません。
結局兄が厳しく叱責をして、それに対して父が意固地になるという最悪のパターンに陥ってしまいました。
実はこの頃は兄自身も体調を崩し、受診や入院が重なっていたことを後で知りました。この頃の兄は私に対しても頑なになっていたので、父の日ごろの様子はケアマネやデイ相談員からのメールで知るようになっていました。

そして今年のコロナ禍へ

今年の2月以降のコロナ禍は、父にも大きな影響を与えました。娘の私が、県外への移動を職場から禁止されたために会うことが難しくなったのです。
しかし電話はこまめにするようにしていました。ちょうど春先に私の子供が中学校に入学しましたので、子供の写真や動画をデイ相談員のラインに送って見てもらったりしていました。
その経緯で、デイ相談員との連絡も密になりました。兄との仲はかなり険悪な状態のようで、家族の話題になると父が暗い表情を見せるようになったそうです。
兄は兄なりに自分の仕事の合間に父の対応を精一杯やっているので、責めるつもりは毛頭ないのですが、やはり男同士は難しいものがあるのでしょう。ここで義姉がクッション役をしてくれればいいのですが、義姉も仕事がありそれなりの役職にいるためそれは期待できなさそうです。

前編まとめ

父の体調悪化に伴って、兄の心理的負担は相当だったと思います。さらに兄自身も健康に不安を抱える状態で、さらにコロナ禍もあり、状況はどんどん悪化していきます。
後編では、この後に起きた事件と家族での話し合いの結果をお伝えしようと思います。

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