SUPボード川下り (前編)

SUPボード川下り (前編)

SUPとは何か

SUPボードで川を下ってみたい。

そもそもSUPボードとは何か。Stand Up Paddle Boardの略。サーフィンの板の上に立って、カヌーのパドルを操るものだ。一言で言うと、サーフィンとカヌーを合わせたようなものになる。

意外にも歴史は古く、紀元前1000年には記録に現れている。20世紀に入り1940年代にハワイで、インストラクターが波の無い時にボードの上に立つ方法として始めた。れが2000年代に入り、公式レースにも採用されるなど、近年再び脚光を浴びている。

SUPボードには様々な種類がある。

波乗りが得意なサーフィン型、高速巡行が可能なレース型、直進安定性に優れるツーリング型、バランス良く兼ね備えたオールラウンド型。さらに、板の上に立って釣りをしたり、ヨガを楽しんだりする人もいる。

また、板の材質として、一枚の硬い板からなるリジッド型と、空気を入れて膨らませるインフレータブル型とがある。インフレータブル型は、空気を抜いて折りたたむとコンパクトになり、背中に背負って移動できる。電車に乗って川の上流へ行き、そこからSUPを広げて川を下り、下流で再び電車に乗って家路に戻る、という旅ができるのである。

実際、ショップの方から聞いた話だが、アメリカからの出張の際にインフレータブル型のSUPを持ってきて、日本の海で波乗りして帰っていった人もいるそうだ。

そんなインフレータブル型の専門メーカーが、Red社。子供用の小型のものから、8人乗り用の超大型ボードまで手掛けている。専用のポンプで空気を入れれば、車のタイヤのようにパンパンに硬くなる。波乗りは私はしないので分からないが、ツーリング用途では充分な剛性だと思う。空気入れ作業も、ポンプに切り替えスイッチが付いており、後半もラクに空気が入れられるようになっている。迷わずRed社のオールラウンド型10’6モデルを選択した。

下見

どの川を下るか。

SUPスタートBOOKで紹介されている、南伊豆の青野川をまず検討した。蛇石峠から弓ヶ浜に注ぐ青野川。地図を眺めると、前夜泊まれるキャンプ場もあり、川下りの後に温泉でひと風呂浴びることもできそうだ。

川の旅は安全第一。一度下見をしておく方がよいだろう。オートバイで伊豆に向かった。

しかし、、、水量が圧倒的に少ない。これでは川は下れない。ガイドブックは、海に近い河口周辺を示していたのかもしれない。川下りをする人は、その時の水量を自分の目で確認するか、ショップ経由で確認するか、ネットの掲示板に聞くとよいでしょう。

気を取り直して、水量のありそうな伊豆半島の主要な川、狩野川を見に向かう。修善寺駅の橋から下を見下ろすと、勢いよく白瀬が立っている。これなら下れそうだ。むしろ、自分の技術で白瀬を乗りこなせるか。そちらの方が問題になってくるかもしれない。

(写真は青野川)

装備確認

川というのは、とても自然の濃いもの。

例えば京都の北山を流れる沢も、一つ踏み入れれば滝がある。街で冷房の効いた部屋でビールを飲んでいる最中も、車で一時間もかからない北山の中では、轟轟と滝が落ち続けている。

滋賀の鈴鹿山脈を流れる愛知川は、明るく開けた開放的な谷で、登山道のレールの上に縛られず、一歩一歩自由に歩くことができる。そこも、大津市から車で一時間ほどだ。

国道沿いを流れる川も、水面に降り立てば、大自然の様相を見せてくれる。川には、そんな魅力がある。

せっかく川を下るのだから、日帰りで去ってしまってはもったいない。キャンプ道具を積んで自然の中にどっぷり漬かりたい。SUPボードにキャンプ道具を積むことが可能だろうか。海外のインスタグラムを見ると、バッグをSUPの前後に載せてツーリングしている人は居るようだ。

行動中に使うSUPボードとパドル、ライフジャケット以外に、持っていく荷物は以下のもの。ポンプ、寝袋、ガスストーブ、食器、衣類、地図、洗面具、携帯電話。テントとマットは、通常のキャンプでは持っていくところを、省略する。天気予報をしっかり見て、晴れの夜を狙う。空気を入れたSUPボード自体が、最良のベッドマットになる。

移動時は、この荷物を身体の前に抱えて、SUPボードをキャリーバッグに入れて背中に背負えば、電車に乗ることができる。行動中は、空いたキャリーバッグに荷物を入れると、ちょうど備え付けのバンジーコードでしっかりと固定できる。この辺り、Red社はうまく設計しているなと感じる。

次は、この荷物を積んだ状態で、白波の上をコントロールできるかどうか。横浜 海の公園でテストしてみることにする。

家を出て荷物を背負うと、さすがに重い。
駅までの20分の道のりが、長い。
南アルプスの縦走よりも大変だ。
なんとか駅に着くとほっとする。

海の公園にたどり着き、気持ちを新たにポンプを動かす。
みるみるうちに膨れ上がってくる。
荷物を載せ、いざ出陣。

乗ってみると、、、意外と荷の影響はなく、普通に乗れる。
舳先が重いので、舳先を上げてその場で急回転する動きはしにくくなりそうだが、普通に向きを変えることは問題なくできる。

これは楽しみだ。

(後編へ)

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